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自然科学部の挑戦!サンゴを白化から守る研究レポート#7

#7 藻の衰退に乗じて繁栄する妖精たち

一か月前に大量に発生した海藻やワカメは,脱ケイ素剤によって縮小していきました。一ヶ月に一度の水槽の大掃除には,ぬめりも減って光が水槽の底の方まで入り,サンゴにとっても光合成がしやすくなったように感じます。ケイ素はガラスや水晶のイメージが強く,水に溶けない印象がありますが,温泉の成分を調べてみると,メタケイ酸イオンなどのケイ素を含む化合物が溶けているようです。川の水には比較的多く含まれるケイ素ですが,水草やケイソウなどに利用され,海に流れ着くころには少なくなってしまいます。しかし海にも少しは含まれるため,海藻は少ないケイ素を吸収して育ちます。人工海水では水道水を利用が,その水源は川の水であるため,通常よりも高い濃度のケイ酸が溶けていることで,水槽内の海藻類が異常に繁殖してしまうことは,生態系のバランスを保つことの難しさを感じます。

6月に入り,27 ℃で飼育しているサンゴのうち,ミドリイシサンゴは骨格だけとなってしまいました。ミドリイシは大変デリケートなサンゴであることから,アイロニカの効果が出るまで耐えられなかった可能性があります。適温よりも水温が上昇すると,約1ヶ月で白化現象が生じることが水槽でも再現されました。応急措置として,回復するかは分かりませんが,24 ℃の水槽に入れて様子をみることにしました。

その他のサンゴについては,現在まで特に問題なく成長しております。そこで今月から水温を30 ℃に温度を上昇させました。元気なサンゴも30 ℃では自然界でも白化現象がみられるようなので,ここからがアイロニカの効果が発揮される実験となりそうです。
表題にも書いた「妖精」ですが,水槽内に最近になって「ウミケムシ」と呼ばれるゴカイの仲間や,「ハマトビムシ」と呼ばれるエビ(甲殻類)の仲間が見られるようになりました。恐らくサンゴを支える石(ライブロック)とともに水槽内へ侵入し,外敵などがいなかったことで増殖したと考えられます。しかしこれらの生物は,砂や海水の掃除をしてくれるので,今後もサンゴの仲間として過ごしてもらう予定です。週1・2回ある水替えのときに,海水とともに一部お別れしてしまうかもしれませんね。

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ネイチャースタディコース花壇ボランティア活動報告②

5月11日(土)に2度目の都立芝公園の花壇管理ボランティアを実施しました。
前回2年生が定植した花壇の手入れを今回は1年生が行いました。
花壇定植

花壇定植②

作業内容は大きな木々の真下に花壇があるため、落ちてきた枯葉や枯枝が多いので、それらの除去および除草作業、水やりです。
1年生はまだ2回しか園芸基礎の授業を行っていないため、知識や技術面では2年生に劣りますが、自分たちが管理しているという責任を果たすべく意欲的に作業をしていました。
今後は授業内での学びを実践できる定植の機会があります。
近年、店頭で購入できる花は矮性種(人為的に小形にしたもの)や交雑育種(人工的に品種間をかけあわせること)などが多く、本来の遺伝子を持つ花が少ないので、2年生の園芸応用の授業では信頼できる方から、市場では敬遠されがちな原種のタネを購入し定植用にタネから育てています。

自然科学部の挑戦!サンゴを白化から守る研究レポート#6

#6 「低酸素状態と海藻増殖の対策」

 先月よりサンゴの育成実験を続けている2つの水槽のうち、片方の水温を地球温暖化を想定して、3 ℃上昇させて27 ℃で飼育を始めました。その結果として2つの新しい現象が確認されました。

 1つ目は,ガラス面に多くの気泡が付着するようになりました。この気泡は海水中に溶けていた空気と考えられます。空気は水温が高いほど水に溶けにくい性質があることから,水に溶けている空気が気泡となって海水中から逃げてしまい,サンゴにとって必要とされる水中の空気の量が減ってしまうことが考えられます。サンゴの酸欠の解決策として,水槽内のエアーポンプを増設することで対応しました。
 2つ目は,海藻の生育が早いことです。ワカメやコンブ類の生育上限温度は,31 ℃前後と言われています※。そのため水温27 ℃では,一部の活発化した海藻類が過剰繁殖したと考えられます。一般的に海藻類は植物と同じような体のつくりをしており,細胞の外側に細胞壁を持っています。この細胞壁の原料は主にセルロース(食物繊維)ですが,ケイ素も必要とします。ケイソウという微生物がいますが,まさにケイ素を多く必要とする植物プランクトンの一種です。そもそも天然の海ではケイ素という元素は少ないのですが,家庭用の水道水には多くのケイ素が含まれています。そのため週一回の水替えで常に豊富なケイ素が供給されてしまっていることも,海藻類の過剰繁殖の原因と考えられました。そこで,シリカ(ケイ素)吸着剤を水槽内に入れて,少しだけケイ素の濃度を天然の海に近い状態まで低下させて実験を続けることにしました。

 自然の生き物のバランスというのは,単に生物が絶滅しなければよいということではなく,化学成分の濃度や化学的な構造などのバランスも影響することが,この実験を通じて分かってきました。

※温度影響データベース(海洋生物環境研究所)

水槽507

グローバルコミュニケーションKYOTOで優勝!

国際キャリアコース2年 不動 櫻茄
-グローバルコミュニケーション KYOTO in Spring  活動レポート-

私はこの春に、京都で行われた「グローバルコミュニケーション KYOTO in Spring 」という3日間のプログラムに参加をしました。
このプログラムの主な内容は、リーダーシップを学びながら、グループのみんなと課題に取り組むというようなことでした。
1日目に他校の高校生とグループを作り、3日間の課題を設定しました。「日本人の気づいていない、外国人から見た京都の魅力は何か」というミッションのもと、グループでテーマを決め、外国人にインタビューをして、プレゼンテーションを作ります。

2日目のインタビューでは声をかける勇気がなかなか出なかったり、声をかけられても英語が話せない、時間がないと断られることもたくさんありました。
しかし、インタビューに答えてくださる方の中には、知っている日本語について話してくれる方や、ジョークを言ってくれる方などもいて、緊張した反面、自分の英語が通じる嬉しさを感じ、また、様々な考え方にふれるとても楽しくて充実した時間を過ごすことができました。

私たちのグループは「おもてなし」をインタビューテーマにしました。日本人の「おもてなし」文化を外国の方はどのように思っているのかと疑問に思ったためこのテーマを設定しました。
伏見稲荷大社での外国人観光客の方々へのインタビューに際し、ある程度質問に対する答えを予想はしていたものの、結果は違っていました。
外国の方は「余所行きのおもてなし」文化ではなく、ありのままの日本の文化を感じたいと思っているということがわかりました。
例えば、畳に慣れていないから全てを椅子に替えて対応するなどといったことはありがたいものの、本当は外すこし不便でも日本の文化を感じたいという意見が多かったです。

3日目のプレゼンテーション大会では審査の結果、私たちの発表が最優秀賞を獲得することが出来ました!!
初めて会うメンバーとの活動だったので、まずはお互いを知るところから始まりました。
「英語という教科が好き」という所から始めた英語の勉強を通して、共通の興味をもつ同年代の子や、様々な外国の方とコミュニケーションをとることが出来るようになりました。
今後も普段の英語の勉強で得た知識を武器に、色々な人と出会って自分の教養を深めていきたいと考えています。。

自然科学部の挑戦!サンゴを白化から守る研究レポート#5

実験経過の報告です。

アイロニカ8を使用した水槽には藻の育ちが速いことが確認されました。また水槽内にはケイソウを始めとする植物プランクトンが多いことも確認されました。しかし,サンゴ自体の成長については,通常飼育したサンゴの方が大きく成長ことが確認できました。(飼育開始時には同じ大きさであったのですが,現在は明らかに大きさの差が見られます)
この成長の差については調査中ですが,考えられる理由として水面を覆っている藻が,光合成を行うことによって光をさえぎることでサンゴに十分な光が届かなかったこと。また水槽内の植物プランクトンの増殖によって,同じくサンゴに十分な光が当たらなかったことなどが考えられます。
ケイソウが増殖する原因としては鉄分の他に,水道水中に多く存在するケイ酸・ケイ素が考えられます。ケイ酸やケイ素は天然の海水中にはあまり存在していないことから,これらの物質の除去を行うことや,定期的に水槽上部の藻を除去,海水の水替えの量を減らすと共に,その頻度を増やすなど工夫する必要があるようです。

いろいろと想定外の結果が見られておりますが,予定通り今月から水温を上昇させていきます。まずは現在の水温24 ℃から27 ℃に上げた状態で,どの程度サンゴの生育に変化が出るのか,しばらく観察していきたいと思っています。

サンゴ5a
サンゴ5b

プロフィール

品川の流れ星

Author:品川の流れ星
私立女子高校、現役若手教員。
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